ガラパゴスジャイアント

世界最大のオオムカデの一角。
Scolopendra galapagoensis

圧倒的な巨躯に驚かされ、惚れ込んだ方も多いでしょう。

触角は根本が光沢を帯びた黒、そして先端に向かうにつれて繊細な赤い毛が生えます。
歩肢は赤、灰青、黄色の縞模様で迫力があります。

幼体の頃は特徴的な歩肢の縞模様はなく、黄色です。
第20歩肢から曳航肢では赤色が目立ってきます。

類似種

Scolopendra gigantea との違いは産地と形態にあります。

Scolopendra gigantea の棲息地はコロンビア北部、ベネズエラ、トリニダード、マルガリータ島、キュラソー島、アルバ島です。
Scolopendra galapagoensis はココス島、ガラパゴス諸島、南アメリカの太平洋沿岸、およびエクアドルからペルー南部までのアンデス西部に棲息しているとされます。

形態では大きな違いが2つあります。

1:触角
Scolopendra gigantea は、まばらに毛の生えた触角節 (※1) が 根元から7-10節、
Scolopendra galapagoensis は まばらに毛の生えた触角節が 根元から4-7節です。

2:腿節の棘
Scolopendra gigantea は腿節に棘がある歩肢を多数そなえ、
Scolopendra galapagoensis は 腿節に棘があるのは第1歩肢のみです。

第1歩肢の腿節では蹴爪が見られますが、それ以降の歩肢にはありません。

触角は触角節自体の色と、密度の高い毛の色が大きく異なるため、非常に明瞭に判別がつきます。

国内での繁殖例も知られており、抱卵時はアジアのオオムカデと異なり、体を前屈して卵を守ります。
さらに、母親が自らの体を幼体に食べさせてしまうのです。

アポトーシスによるものなのか、親と子を分離させても母ムカデは必ず死んでしまいます。

参考
学名:Scolopendra galapagoensis
全長:40cm
温度:26-29℃前後
湿度:中-高湿度
棲息環境:地中-地表
成長速度:1年で性成熟(成虫)

(※1)根本側のまばらに毛が生える触角節と、先端側の高密度の毛が生える触角節の比較。

参照:
R. M. Shelley&S. B. Kiser(2000)
Neotype designation and a diagnostic account for the centipede, Scolopendra gigantea L. 1758, with an account of S. galapagoensis Bollman 1889 (Chilopoda Scolopendromorpha Scolopendridae)
Tropical Zoology,13:1, 159-170