アカズミゴキブリ
学名:Periplaneta kijimuna
分布:日本(石垣島、西表島)
体長:約25~40mm
産卵様式:卵生
ガラス・プラスチック面垂直歩行:歩行できる
解説
湿潤な森林内に生息し、夜間に樹幹上で活動している個体が見られます。日本産Periplaneta属ではワモンゴキブリに匹敵する大きさを誇りますが、アカズミゴキブリのサンプル数が少なく、どちらの方が大きくなるかは不明です。「アカズミ」の名前は前胸背板が赤墨色をしていることから。種小名のkijimunaは、赤っぽい体色や樹上で多く確認されたことから、沖縄に伝わる木の精霊キジムナーを由来としています。
2021年に記載された種で、ウルシゴキブリやクロゴキブリに類似しますが、交尾器や肛上板の形状などに違いがあります。また、翅もより長いです。
ペットローチとしての取引はほとんどありません。累代は難しく、ワモンゴキブリ同様、動きが俊敏であるためケース開封時の飛び出しに注意が必要です。また、プラスチック壁を登るため、ケース上部に炭酸カルシウムや白色ワセリンを塗布するといいでしょう。
(文・写真: 竜洋昆虫自然観察公園 柳澤静磨)
参考文献
・柳澤静磨, 2022. ゴキブリハンドブック. 文一総合出版. 東京.
・Yanagisawa, S., Ohgita, S. & Komatsu, N.. 2021. Periplaneta kijimuna sp. nov. (Blattodea: Blattidae) from Iriomote-jima, Japan. Japanese Journal of Systematic Entomology, 27(2): 224-226.